2008全仏オープンテニス。準決勝ナダルがジョコビッチを下す。
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ナダルは相手の揺さぶりをフォアハンドの強打ではね返し、1984−87年のイワン・レンドル(当時チェコスロバキア)以来の4年連続の決勝進出。
ジョコビッチは全豪を制し、今年こそはと意気込んでいた。ナダルは全仏では一昨年、昨年と勝てなかった相手。勝てば世界ランキング2位の座が入れ替わる一戦でもあった。
他の相手なら決まっているはずのショットが決まらず、「ストレスがあった。いつものプレーができなかった」。第3セット5−4からブレークして追いつき意地を見せたが、タイブレークは一気に突き放された。
「向こうは大事なポイントで、すごく精神的に強かった。だからチャンピオンなのだろう」と認めるしかなかった(テニス365より引用 http://news.tennis365.net/news/today/200806/7488.html)
ランキング2位の座をかけた戦いで注目の試合でした。
結果はナダルのストレート勝ち。クレーでは絶対王者のナダルの強さを見せつけた試合でしたが、ナダルを倒す糸口も見られた試合でもありました。
ジョコビッチを応援していたので、ジョコビッチよりの内容です。
ちょうどテレビを見出したのが、第2セットから。第1セットはジョコビッチはファーストサーブの入りが非常に悪かった。第2セット途中で修正しつつありましたが、ナダルの驚異的なスピンショットに屈しました。
ジョコビッチは常に前でボールを捉えライジングショットで応戦。しかし、クレーでのナダルに対しては非常に部が悪かった。ただでさえ、ナダルのボールは変化(癖球)している所に、クレー特有のイレギュラーバウンド。
そのショットをライジングで処理することはとても難しい。上手くライジングで捉えジョコビッチの流れだと思っていても、少しのミスショットでショートボールや緩い球が返ってしまうと、一撃強力フォアハンドで形勢逆転。ナダルのポイントへ。
そしてそんな流れに飲み込まれアンフォースドエラーの連発。ダウンザラインが決まらない。ネットに出ようか躊躇する場面も見られた。
ウィナーだと思い足を止めるジョコビッチ。それを返すナダル。慌ててジョコビッチが動くも一度足を止めてしまってはボールを取れない。プロでもこんな場面があるんだなと驚いた。それぐらい、ナダルの動きショットがジョコビッチの予想を超えていたのだろう。
印象的だったのが、ファーストサーブでフラット系の速いボールを使わず、敢えてセカンドサーブのスピン系の緩くて変化が大きいサーブだけで、サービスゲームを1ゲームキープしたゲームがあった。キープできても完全にナダルペースを印象づけた。
しかし、第3セット。本来のジョコビッチのテニスプレーを発揮。ライジングショットで速い展開に持ち込み、フォア・バックのダウンザラインでウィナーを取る。フォアの逆クロスでのウィナーも目立った。
その中で、時折見せるドロップショット。絶妙とは言えないドロップショットだが、あれだけ速い展開でのラリーに持ち込み、ただでさえベースラインより後ろよりのポジションを取るナダルに対しては有効的だったと思う。
結果的には第3セットタイブレークでのナダルの精神力が強く、ジョコビッチは敗退したが、ナダルをクレーで倒す糸口はジョコビッチのようなプレー。相手のペースではなく、自分のプレースタイル、展開に持ち込む。
ベースラインより後ろで打ち合っては、ショットの威力の差、コートカバー能力の差でどうしてもポイントを取られる。
速い展開でのラリー、ベースラインよりも前に出させるドロップショット、これを忠実にできればナダルを倒せる可能性はありえる。あとは、どんな展開になろうとも揺るがない精神力。
それをできるのがフェデラーなのだが、今回はどうも雲行きが怪しい。
決勝戦は、ラリーの展開とフェデラーのスライス、ドロップショットをどう使うのか注目してみたい。